私の居場所
そこまで言われると、さすがに私も何も言えなかった。
助手席に大人しく納まる私。
「さあ行くぞ。」
早く工場に着かないかな。
私はまたそんな事を考えていた。
「園、そう言えば検診結果はどうだった?」
福山さんは意外な事を聞いてきた。
「もちろん詳しい事は結果待ちですけど、一番心配だった血圧も正常でしたし、特に異常はなさそうです。これでやっと全快ですかね。」
私はその事を聞かれるのが嬉しくて、ちょっと興奮気味に答えた。
「そう。それは良かった。」
福山さんの表情は本当に心配をしてくれていた事を物語っている。
「じゃあ、今度の休みにどこかへ出掛けよう。全快祝いだ。」
福山さんは私が全く思っていなかったような事を言い出した。
「そんな…。福山さんにそんな事していただかなくても…。」
私は慌てて、断ろうとした。