私の居場所
4
リストのファイルを眺めながら、福山さんが事務所に入って来た。
「園美ちゃん、この数量確認してくれる?」
人前では、変わらずそう呼んでくれる福山さん。
でも今は事務所に私一人。
「なんだ。園は今一人なんだ。」
呼び方がもう変わっている。
おまけに私にも二人きりの時には、福山さんの下の名前、颯太(そうた)と呼べと半分脅されている。
そんな事一方的に言われたって、呼べるわけがない。
普段は言われるがままいろいろと従わされているが、この件だけは拒否している。
小さな小さな私の反抗だ。
「もとになっている発注書の控えがこの辺に…。」
私は立ち上がって、自分の後ろにある棚を調べた。
「これですかね。」
私は印刷してとじ込んである相手先の発注メールを探し当てた。
「園美ちゃん、この数量確認してくれる?」
人前では、変わらずそう呼んでくれる福山さん。
でも今は事務所に私一人。
「なんだ。園は今一人なんだ。」
呼び方がもう変わっている。
おまけに私にも二人きりの時には、福山さんの下の名前、颯太(そうた)と呼べと半分脅されている。
そんな事一方的に言われたって、呼べるわけがない。
普段は言われるがままいろいろと従わされているが、この件だけは拒否している。
小さな小さな私の反抗だ。
「もとになっている発注書の控えがこの辺に…。」
私は立ち上がって、自分の後ろにある棚を調べた。
「これですかね。」
私は印刷してとじ込んである相手先の発注メールを探し当てた。