私の居場所
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リストのファイルを眺めながら、福山さんが事務所に入って来た。

「園美ちゃん、この数量確認してくれる?」

人前では、変わらずそう呼んでくれる福山さん。

でも今は事務所に私一人。

「なんだ。園は今一人なんだ。」

呼び方がもう変わっている。

おまけに私にも二人きりの時には、福山さんの下の名前、颯太(そうた)と呼べと半分脅されている。

そんな事一方的に言われたって、呼べるわけがない。

普段は言われるがままいろいろと従わされているが、この件だけは拒否している。

小さな小さな私の反抗だ。

「もとになっている発注書の控えがこの辺に…。」

私は立ち上がって、自分の後ろにある棚を調べた。

「これですかね。」

私は印刷してとじ込んである相手先の発注メールを探し当てた。
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