私の居場所
「こちらの控えでも確かにこの数字です。すいません。こちらの発注ミスです。でも明日の納期にはこの1ケタ多い数量が必要な数なんです。何とかなりませんか?」

私の受け応えで、発注の数がやはり1ケタ違っていた事が分かった時点で、福山さんは工場へ走っていた。

そして電話の応対を続けている私にメモを差し出した。

-半分を午前中に、あとの半分は夕方に納品で間に合うか確認して。-

メモに書かれていた事を、相手先に伝える。

それに了承を得ると、私は電話を切った。

「この時間差の納品で大丈夫との事でした。」

私は福山さんに伝えた。

「分かった。」

そう言って福山さんはもう一度工場へ戻っていく。

その後を私も追う。

「雅さん、さっき言っていた半分ずつの納品で大丈夫だそうです。」

そう大声で雅さんに手を大きく振りながら、声をかけた福山さん。

即座に雅さんはその声を工場のうるさい音の中聞き分けて、みんなに指示を出し始めた。
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