私の居場所
「はい、みなさんが頑張っているのに帰れません。」

それに嬉しそうに悦子さんは微笑む。

「そういう園美ちゃんが好きなんだ。でも家の方には心配をかけるといけないから、ちゃんと連絡しておいてね。今から奥に来てくれる?そろそろご飯が炊ける頃だから、おにぎりを作るのを手伝ってくれない?」

少しでも時間が惜しいように、早口で言った悦子さん。

みんなに夜食のおにぎりを用意するようだ。

「家に電話したら、そちらへ行きます。」

「了解。」

悦子さんは先に奥へ入って行った。

私はお母さんに帰りが遅くなるので心配しないように伝えると、すぐさま奥へ入っていく。

ここは社長宅のプライベート空間のキッチン。

悦子さんは早速何個かのおにぎりを握っている。

「塩だけ振ってあるわ。そこにある海苔を巻いてやって。」

おにぎりを握る手を休めずに、私に指示してくれた。

私は手を洗うと、早速手伝い始めた。

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