私の居場所
やっと一人3つほど当たる数のおにぎりが並んだ。

「とりあえず私は工場に戻るから、事務所に運んでおいてくれる?作業の状況を見て、みんなに交代で声かけるから。」

「じゃあ、事務所でお茶を沸かしておきます。」

「よろしく。」

そう言ってせわしく悦子さんは工場に戻って行った。

私もおにぎりの皿を持って事務所に戻る。

そして事務所の隅にあるミニキッチンで、やかんを火にかける。

私はパソコンの前に戻ってきたが、何となく落ち着かない。

ちょうどお湯が沸く頃、雅さんと社長が事務所へやって来た。

「ちょっと一休みさせてもらうわ。」

雅さんが空いている椅子を社長に勧めると、自分はその横に座った。

「雅さんが数量の事を気が付いたんですよね。すごいですね。」

私がお茶を入れながら聞いた。

横で社長が頷いている。

「いくら向こうのミスでも必要な数が揃ってないと、どこかで誰かに迷惑がかかるからな。」
< 41 / 227 >

この作品をシェア

pagetop