私の居場所
しばらくそのまま待っていたが、福山さんはなかなかやって来ない。

そこで先に使用した湯呑を洗い、もう一度お湯を沸かし直した。

「どうしよう。福山さんは休憩取らないのかな。」

そんな事を考えていたが、どうも私も疲れが出てきてしまったらしい。

知らない間に、机にうつ伏して眠っていたようだ。

「…園、園。」

誰かが私を呼んでいる?

でもこの呼び方は…。

私は眠気でなかなか顔が上げられない。

「おい、キスするぞ。」

私はその声にガバッと顔を上げた。

「こんな所で寝ていると、風邪引くぞ。」

ニヤニヤ笑いながら、福山さんは私の顔を覗き込んでいた。

「すいません。福山さんもすぐ休憩に来るかと思っていて、待っていたつもりだったんですけど…。」

そして時計を見る。

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