私の居場所
時計は12時になろうとしていた。

悦子さん達が来てから、かなり時間が経っている。

私、その間ずっと眠っていたのかな。

工場でみんなは仕事をしているのに。

何だかとても申し訳ないような気がした。

「あっ、お茶を入れますね。」

私はもう一度お湯を沸かしに立ち上がろうとした。

「ここに入っているお茶で良いよ。」

福山さんはそう言って、すっかり冷めてしまったお茶を急須から注いだ。

「園、いい度胸だな。」

一口お茶を飲むと、苦そうな顔をして福山さんは笑った。

「すいません。みなさんが一生懸命仕事している時に眠っちゃって。」

私は申し訳なくて、福山さんに頭を下げた。

「違う。俺に寝顔を見せた事だ。」

何を言ってるんだ、この人。

私は驚いて福山さんの顔を見つめる。
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