全部。
「んぁっ…」

ベットが軋む音。

2人の荒い息遣いが、いらやしい水音が。

暗い部屋に響き渡る。

「あぁっ、嶺央っ」

繋がっている相手の名前を吐息の隙間で必死に呼び止めながら、

彼の首に腕をまわす。

彼はいつも、何も言わずに腰を振り続けていた。

『首に腕をまわす』

これが、私の彼へ対しての第一の執着だったのかもしれない。

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