全部。
それがわかったのは、

ぼんやりかすむ視界の先で、男が「早く出せ」と指示したから。

指示を受けた黒いシルエットは、猛スピードで車を発信させる。

体全体が痛い。

見ると、複数の男たちが私の体を押さえつけている。

あぁ。私。犯されちゃうんだ。

ぼんやりとした思考の中、そんなことを考えていた。



頬に伝ってた血が乾いたころ、車は動きを止めた。

窓にスモークがはられているためここがどこかは分からないけど、

人気のない場所だから車が止まったんだっていうことは分かった。
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