50年目のプレゼント
 
 「おじいちゃん。」

 「おう、おかえりい。」


 机の上にはおばあちゃんの写真。
 
 それと、白い封筒。


 私の視線に気づくと

 おじいちゃんは言った。


 「そろそろ整理しないとなあ。」

 「もう3年だもんね。」

 おばあちゃんが天国に旅立って3年。

 

 「3年も経つのに、ワシの枕元には一度も
 
 現れてくれんよ。」

 そう言っておじいちゃんは寂しそうに笑った。
< 2 / 27 >

この作品をシェア

pagetop