50年目のプレゼント
 私は迷った。


 なにが一番嬉しいんだろう。


 しばらく、おばあちゃんを

 観察しながら考えたが、

 思い浮かばなかった。


 「おばあちゃん、今、欲しいものある?」


 掃除をしているおばあちゃんに聞いてみた。


 「なに?急に?」

 「いいから、言ってみてよ。」


 はたきの手を止めずにおばあちゃんは言った。


 「うーん、とくにないなあ。」


 まともに聞いてくれない。


 

 

 

 
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