偽物少女の受難な恋
門を過ぎ、校内へと足を踏み入れると周りの生徒からの大量の挨拶が降りかかってくる
「おはようございます、藍川さん」
「澪さん、おはようございます」
その声一つ一つに笑顔で答えながら、足を進めていく
校内での周りからの反応も先ほどと変わらず、また私も先ほど同じ笑顔で返す
他校の人からみたら、異様とも取れるこの光景も、私の日常の一つである
嫌味に聞こえるかもしれないが、事実そうなのだから仕方が無い
なぜこのような事が起きてるのか、それは私がこの学校の生徒会に入っているからである
生徒会だからなんだ?そう思う人は多いと思う、だが、うちの高校、流麗高校の生徒会は普通ではないのだ
普通の高校の生徒会は、立候補とそれに対する生徒たちの投票で決まる
しかし、流麗の生徒会の決め方はまったく違う
まず、どれだけ生徒会に入りたくとも、立候補などできない
また、どれだけやる気がなくても決まったら断ることはできない
そして肝心の選出方法というと、それは成績や生活態度、また家柄などから決まっていく
成績や生活態度はともかく、家柄で決めるのはどうかとも思われるだろうが、我が校は都内でも有名な進学校であり、いわゆる金持ち校でもある
実力のあるものが上に立つ、という方針の中、生徒会役員は決定される
しかし、成績や生活態度、家柄などに関わらず生徒会役員になる方法がある、それは生徒会からの指名である
会長、副会長二人、書記、会計の五人の他にも庶務という枠割で、その五人の話し合いの元指名される
その為、役員に入りそこねた人達は、役員に気に入れられ生徒会しかほかが無いのだ
それが、先ほどの私への周りからの反応の理由である
といってもまぁ、庶務へは大抵成績等がその五人の次席の人間が入るため、あまりあの行為に意味はないのだが
それでも皆が諦めずにあのようなたいどをとるのは、よほど生徒会への待遇が魅力的だからであろう
まぁ、私には関係ないが