偽物少女の受難な恋
いつものように、全ての授業を淡々と終え、放課後になり
現在私は生徒会室へと足を進めていた
軽く数回ノックをして、返事が聞こえてきたところでゆっくりとドアを開く
中にはもう、他の役員のだいたいは集まっていて、遅れてすみませんと言いながら自席へと腰を降ろす
この生徒会は、私を含め現在5人の役員がいる
「たっく、おっせーぞ藍川!」
この横で騒ぐ馬鹿が副会長の柴崎蓮。
すぐキレる、非常に沸点の低い馬鹿だが、これでも大学病院院長の父を持つおぼっちゃま
『大変申し訳ありませんでした。あなたと違って多忙なもので、なかなか来る事ができませんでした』
「っだっと、このクソ女...」
言わずもがな、同じく副会長の私とコイツは俗に言う犬猿の仲、というものである
といっても、コイツが勝手に突っかかってくるだけだけど
「お前だってさっき来たばっかだろ、蓮」
そんな柴咲をたしなめるように話しているのが、書記である朝日奈響。
私が思う、生徒会唯一の常識人である、というのもきっとよくよくわかると思う
「でも、会ったらすぐ言い合いなんて、これが喧嘩するほど仲が良いってやつだね」
『「っなわけないだろ!」』
この意味のわからない言動ばかりいうやつが、会計である日向玲。
いわゆる天然というやつで、こんな可愛らしい見た目に似合わず侮れないやつである
「つーか、声被らせてんじゃねえよ!」
『は、こっちのセリフですけど?だれが好んであんたみたいなのと声被らすっての、少しはその使えない頭を使ったら?』
「テメェ!今日という今日は絶対許さねぇ!表でろ!」
『のぞむとこ...「ずいぶんと騒がしいみたいだけど...」
その時、わたし達の背後からとても聞きなれた声がした
聞きなれていて、それでいて今もっとも聞きたくなかった声が
「何してるの?お二人さん」
生徒会長の不知火快、紛れもないこの学校の生徒のトップである