偽物少女の受難な恋
episode2
「なんか騒いでるみたいな声が聞こえたんだけど....澪」
『き、気のせいじゃないかな?ねぇ』
すかさず柴崎へとアイコンタクトを送る
「あ、ああ、ちょっと声がでかかっただけだって」
「ふーん、ならいいや」
すると彼はニッコリと笑って、会長席へと腰を下ろした
とりあえず誤魔化すことは出来たようだ、必死に笑いを堪えている日向が目に入るが、今は見逃しておいてやろう
そして今更すぎるほどだが、この生徒会のメンバーは、私の本当の性格を知っている
隠そうかとも思ったが、どうせいずれかボロが出るだろうし、本来の自分でいくことにした
柴咲のみかなり驚いていたが、ほかの反応は正直拍子抜けともいえるもので、日向にいたっては「あ、やっぱり〜」とまでいうのだ
しかし、このような秘密を持っているのは私だけではない
この生徒会のメンバーほとんどは、役員に選ばれるだけあって、普段の生活態度は驚くほどに優秀である
しかし、根からそんなやつなんでほとんどいない
ここにいる役員はみな、優等生という皮を被って学校生活を送っている
その方が人当たりもいいし、楽だから。そう考えるやつもいるが、大抵は自分の家の名に傷をつけないようにするためである
傍からみれば何不自由ないように思える者ほど、多くのものに縛られながら生きているものなのだ