乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
改めて言葉にされるとドキッとする。
優奈ちゃんは…
きっと陸さんの事を…
「そんな奴のこと、かばうのか?一応ライバルだろ?」
「優奈ちゃんは私にとっても大事な後輩だし…それに私、優奈ちゃんの気持ちもわかるから…」
優斗パパはハァーっとため息をつき、煙草を地面に落として足で擦り消した。
「どこまでもお人よしだな」
「私は優奈ちゃんを信じたいの」
「あんたも怖かったくせに」
「え?」
「手ぇずっと震えてんだよ」
そう言って私の手をとった。
「これは…ちょっとびっくりしちゃっただけで…」
私は優斗パパから手を離し、後ろを向いた。
こんな時に思い出す。
陸さんが言ってた、“二人っきりになるな”という言葉。