乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「ゆ…優奈ちゃんどうしてっ…帰ったはずじゃ…」
「私…奈緒さんが心配になって戻ってきたんです…」
三人の間に沈黙が流れる。
さっきの…見られてた…?
「私、お邪魔ですよね…すみませんっ!」
「あっ…!優奈ちゃん待って!」
優奈ちゃんはぺこっと頭を下げると、走って行ってしまった。
どうしよう。
やっぱりさっきの見られてたのかな…
「今のが優奈って女?」
「……」
「変なとこ見られたな」
私は振り返り、薄く笑っている優斗パパを睨んだ。
「なんであんなことしたんですか!?誤解されたじゃないですか!!」
「悪いな。でも…俺だってふざけてたわけじゃねーから」
優斗パパの目はいつになく真剣で。