乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
でも、言わなくてもいいことだってあるよね。
優斗パパと、これ以上関わらなければいいだけのことだもの。
陸さんを必要以上に心配させたくないし、悲しませたくない。
だけど、現実はそううまくはいかないものだ。
優斗パパは蒼空の友達の父親だし、近くに住んでるし。
関わらないという方が難しいかもしれない。
数日後、帰りの幼稚園バスを待っているとき、優斗ママに会った。
この前の事、優斗ママには知られていないはずだけど…
なぜか顔を合わせづらい。
「桐谷さんこんにちは」
優斗ママはいつも通りオシャレな格好をして、メイクもバッチリだった。
「こ、こんにちは…」
「旦那様もお元気?お仕事忙しそうだけど…」
なんでいつも会ってすぐに陸さんの話題になるんだろう。