乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「おかげさまで…元気です」
私は精一杯の作り笑顔を見せた。
「この前キャンプの時に次は海に行きましょうって言っててね、桐谷さんの休みはいつかしら?優斗たちが夏休みに入ってからでいいわよね?」
「海ですか…」
「あら、嫌だった?旦那様はノリ気だったけど」
陸さんがノリ気なわけない。
話を合わせてただけだと思うけど…
「嫌ではないですけど…みなさん休み合いますかね?」
「大丈夫じゃないかしら?うちの主人にも聞いてみるわ」
げ、やっぱり優斗パパもくるのか…
「あの…ご主人って営業のお仕事でしたっけ…?」
「え?そうだけど。それがどうかした?」
「あ、いや…この前平日の昼間に公園であったのでっ…」
やっぱりこの人は嘘を貫き通すのか…
どうしてそこまでして…