乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
世間の学校や幼稚園が夏休みに入ってすぐの事。
久しぶりに優奈ちゃんがバイトに来た。
「おひさしぶりでーす」
明るく元気に事務所に入ってくると、みんなも自然と笑顔になる。
「お、おはよう…」
私の笑顔はきっと引きつっていたと思う。
「おはようございますっ」
だけど、優奈ちゃんは何事もなかったかのように接してくれた。
「奈緒さん、この前はすみませんでした…」
「え!?」
「杉田さんとの食事の事…結局契約も解除されちゃったんですよね…」
優奈ちゃんも落ち込んだ様子で項垂れた。
「優奈ちゃん、そのことについてちょっと聞きたいことがあったんだけど…」