乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「優奈、ちょっと!」
その時陸さんに呼ばれ、優奈ちゃんは「またあとで」と言って、行ってしまった。
それ以来忙しくて中々話する機会もなくて…
杉田さんが言っていた事、本当なのか知りたい。
でも結局この日は聞けなかった。
仕事中に話す内容でもないんだけどね…
帰り際、陸さんと優奈ちゃんと三人で事務所を出た。
陸さんがいるからこの前の事は話せない。
早く聞きだしたいのにもどかしい気持ちになる。
「あれー?陸、前髪はねてるよ?」
優奈ちゃんが笑いながら陸さんの前髪を触ろうとした。
「あーさっき寝てたからな」
「寝てたのぉ!?一応社長でしょぉー?ダメじゃーん」
「ちょっと休憩してただけだろ、うるせーよ」