乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
うちの車で優奈ちゃんを自宅まで送り、子供達が待つ私の実家へ向かった。
仕事が遅くなる日は、母が子供達の面倒を見てくれている。
実家へ向かう途中、陸さんは助手席に座っている私の顔を覗きこんだ。
「奈緒、怒ってんの?」
「え!?…別に?」
ヤバイ、顔に…出てたかな…
「そうか?なーんかイライラオーラが出てっからさ」
「そんなことないよ…ちょっと考え事してただけ」
「ふーん」
それ以上何も聞いてこなかったからよかったけど。
実家について、車から降りようとしたとき。
「あ、ちょい待って」
陸さんが、ドアを開けようとした私の手を掴む。
「え?」