乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「懐かしい?」
「昔みんなと海行ったじゃん。お前とさ、こうやってしゃべったの覚えてる?」
「覚えてるよ、陸さんと付き合った日…だもん」
あの時は付き合う事が信じられなくて…
でも本気じゃなくてもいいならって言われたんだよね。
それでもいいって思ってたなぁ…
今はこうやって陸さんと結婚して、子供もいるなんて。
本当に信じられないよ。
「今奈緒とこうやって暮らしてるなんて、あの時は考えもしなかったな」
「うん私も…いまだに信じられない」
「は?嘘だろ」
陸さんは笑いながら起き上った。
「信じられないよ。私なんかの旦那さんだなんて」
「いい加減慣れろよ」
「慣れたいんだけどね…」
そんな私の頭を、陸さんはポンポンと撫でた。