乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
海の水が冷たくて心地良い。
今日は風もなくて、海もすごく穏やかだった。
私と陸さんはくっついてプカプカ浮いていたけど…
ずっと顔が近いからドキドキしちゃう。
「気持ちいーね~、海もたまにはいいかも…来てよかった」
なんだかんだいって、こうやって陸さんや家族と過ごす時間ってやっぱり楽しい。
「だな。でも…この水着もう着んなよ」
「え!?なんで?…やっぱり…恥じだから?」
「は?恥じって?」
「私がデブだから…」
「そんなんじゃねーよ。この水着露出度たけーだろ、なに勝手に着てんだよ」
「え、勝手にって…」
「今度から家で確認してから着せるから」
「そんな…」
「裸のようなもんじゃんこれ。他のヤツに見られたくねーんだよ」