乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
体が痺れるようなキスに、めまいがしそうになった。
余裕なんて…全然ないよ。
「これ以上したら俺が海から上がれなくなっから…こんくらいにしとくか」
陸さんは私の両頬に手を添え、むぎゅっとつねって笑った。
もう…陸さんにはいつもドキドキさせられてばかり。
体が火照ってるから、海の冷たさが心地よく感じる。
ビーチに戻ると、優斗ママと渉ママも子供達と一緒に砂浜で遊んでいた。
ちょうどお昼ということで、出店でそれぞれ食べ物を買うことになった。
「私焼きそば買いに行こうと思ってるんですけど、皆さん食べますか?混んでるからまとめて買ってきますよ」
優奈ちゃんがバッグを持って立ち上がった。
可愛い上に気が利くなんて、本当にカンペキな女の子。