乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
みんな頼んだので、全部で10個くらいになる。
「優奈ちゃん一人で大丈夫!?」
「大丈夫ですっ!私こう見えてたくましいんですよ」
優奈ちゃんはニコッと笑って出店の方へ走って行った。
いい子だなぁ、本当に。
そんな子が、杉田さんの言ってたような嘘つくのかな…
子供達と他の店で飲み物やフランクフルトを買って戻ると、まだ優奈ちゃんは戻ってきていなかった。
「あれ?優奈ちゃんまだ来ないんだ。やっぱ焼きそばのとこ混んでるのかな」
近くにいた陸さんに言うと、「様子見て来るわ」と立ち上がったので私は咄嗟にそれを止めてしまった。
「他に買いたいものもあるし、私が優奈ちゃんの様子見て来るよ!」
財布を持って急ぎ足でその場を離れる。