乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「あぁ!?なんだてめぇ?」
2人も陸さんに近づいて、上から下まで舐める様に睨み付けた。
陸さんはその隙に、優奈ちゃんの腕を掴んで2人から引き離した。
「優奈ちゃん大丈夫!?」
「は、はい…」
優奈ちゃんの体は震えていた。
よほど怖かったんだろう。
「かっこつけてんじゃねーよ、やんのかぁ!?」
一人の男が陸さんの肩を掴んだ瞬間、その腕を掴んでひねり上げた。
「いってぇーっ!」
「腕一本折れたって、大したことねぇよな?」
私は息を呑んだ。
すると、その光景を見ていたもうひとりの男が陸さんにかかって行こうとしたが、周りの誰かが「警察呼ぶぞ!」と叫んだので2人は慌てて逃げて行った。