乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
優奈ちゃんの震えが移ってしまったのか、私まで手が震えている。
陸さんの殺気立った顔は久しぶりに見た。
そのせいかすごくドキドキしている。
でも…
来てくれて良かった…
「どうしたの!?」
「大丈夫!?」
みんな騒ぎを聞きつけてきてくれた。
子供達も心配そうな顔をしている。
「優奈が変なヤツラに声かけられて。でももう大丈夫です」
陸さんがそう言うと、みんなホッとした表情に変わった。
するとその時、突然優奈ちゃんが陸さんに抱きついた。
私は驚いて体が硬直してしまった。
「優奈!?」
「こ…恐かった…」
優奈ちゃんは陸さんのお腹に手を回したまま、離れようとしない。
「もうあいつらいねーし…大丈夫だろ」