乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】



気を取り直してお昼を食べていると、暗かった優奈ちゃんの顔にも笑顔が戻ってきた。





「そういえば陸って泳げるんだよね?」




優奈ちゃんは買ってきた焼きそばを食べながら陸さんに問いかける。





「泳げるけど?」



「じゃさ、お昼食べたら教えてよ」







その言葉にドキッとした。



そう感じたのは私だけじゃないのかもしれない。



優斗ママや渉ママ、渉パパまで真顔で優奈ちゃんの方を見ていた。



みんな、優奈ちゃんの気持ちに気づいたかな…





「はぁ!?なんでオレが…」




「いいじゃーん!いつも会社に貢献してあげてるでしょ?ちょっとくらい教えてよ?」






陸さんは無言で焼きそばを頬張る。





どうか。





断って…







割り箸を握る手に力が入る。






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