乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「さっきの事なんだけどさ、BBQ…行く?」
内心行きたくないんだけど。
「あー、いいよ。唯と蒼空も喜ぶんじゃね?ここんとこずっと忙しいからゴールデンウィークもどこも連れてってやれなかったもんな」
確かに…
最近仕事が半端ないくらい忙しくて、あまり旅行とかも行ってない。
子供達のためだと思えばしょうがないか…
本当は家族だけで行きたかったけど。
「じゃあオレ先に行ってるから」
スーツに着替えた陸さんが、玄関で靴を履いている。
「うん、私もお昼前には出勤するね」
「…奈緒」
そう呼ばれたので顔を上げると。
軽く顔に手を添えられて、キスをされた。
突然の事に驚く。
玄関でキスなんて、めったにされないから…