乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
その後も子供達と一緒にしばらく遊んでいたけど、常に神経は陸さん達の方にあって。
まだ…戻ってこないのかな…
気になってしょうがない。
「ママ、喉かわいた~」
蒼空が砂だらけの顔でそう言った。
「あ、ジュースなかったんだ!買ってくるから待ってて」
海の家でジュースを買い、戻ろうとした時。
今度は優斗パパがこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
私は咄嗟に逆方向へ歩きだす。
あの人には関わりたくない…
すると後ろから、ザッザッザと走ってくる音が聞こえた。
振り返ると優斗パパがすぐ近くにいて…
なんで走ってくるのよ!?
優斗パパは私の顔を見るなり、ブッと笑い出す。