乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
優斗パパは私に近づき、腕を掴んだ。
見ると、右ひじから血が出ていた。
気づかなかった…
さっき砂浜に倒されたときかな…
「どっかにぶつけたのか?どんくせーな」
私の腕を掴みながら優斗パパが笑っている。
「こ、これはっ…」
その時、ぐいっと体が後ろに引っ張られ、強制的に優斗パパから引き離された。
後ろを見ると、そこには陸さんがいて。
「なにやってんの?」
物凄く不機嫌そうな顔で優斗パパを睨んでいた。
なんて…
タイミングが悪いんだろう。
陸さん、まだ優奈ちゃんと泳いでたんじゃなかったの…?
なんて答えようか悩んでいると、
「奥さん、腕怪我してますよ」
と優斗パパが突然言い出した。