乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】



「物分かりよすぎだろ」




「……」




「泣くの堪えるくらいなら旦那に言えばいーんじゃね?」




「泣いてない…」





突然ガッと手首を掴まれ、無理やり振り向かされた。





「なにすんっ…」




「泣きそうな顔してんじゃん」





泣かないようにぐっと堪えてたけど。




そんな事言われると気が緩んでしまう。




もういい大人なのに…




私って全然昔と変わらない。





「オレの前でそういう隙、見せない方がいいと思うけど」





「見せてません!もう大丈夫ですから」





私は掴まれていた手を強引に離して歩き出した。



その時、ナンパ男に倒された時に捻った足首がズキンと痛みだす。




< 148 / 263 >

この作品をシェア

pagetop