乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「物分かりよすぎだろ」
「……」
「泣くの堪えるくらいなら旦那に言えばいーんじゃね?」
「泣いてない…」
突然ガッと手首を掴まれ、無理やり振り向かされた。
「なにすんっ…」
「泣きそうな顔してんじゃん」
泣かないようにぐっと堪えてたけど。
そんな事言われると気が緩んでしまう。
もういい大人なのに…
私って全然昔と変わらない。
「オレの前でそういう隙、見せない方がいいと思うけど」
「見せてません!もう大丈夫ですから」
私は掴まれていた手を強引に離して歩き出した。
その時、ナンパ男に倒された時に捻った足首がズキンと痛みだす。