乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
-SIDE優奈&陸ー
―――――SIDE YUNA
陸は昔から私のヒーローだった。
将来は絶対陸と結婚するんだって本気で思っていた。
今思えば、子供らしい考えだよね。
陸に初めて会ったのは私が小学校2年生の時だった。
お兄ちゃんの部屋に行ったら、いっぱい男の人がいて…
びっくりして怖くなった私は、わーんと泣きだしちゃったんだ。
でもその時、ふわりと私を抱き上げてくれた人がいた。
そして「大丈夫だから」と優しく声を掛けてくれて…
それが陸だった。
金色の髪がサラサラしてて、外見はものすごく恐そう。
でもね、笑顔がすごく優しくてかっこよくて。
子供だった私も恋しちゃうくらいだった。