乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
それからは陸に会えるのが待ち遠しくなって。
うちに来た日は必ずべったりくっついていた。
大人で、優しくてかっこいい陸が大好き。
クラスの男の子なんか目に入らないくらい。
でも…
そんな陸にも彼女ができたと聞いたときは、ものすごくショックを受けたのを覚えている。
心のどこかで、陸と私は両思いなんだって思ってたのに。
これも子供の考えることだけど。
子供ながらに私は真剣に陸の事が好きだった。
だから本当にショックで。
陸の彼女はどんな人なんだろう…
彼女ができてからは、たまにしかうちに来なくなってしまった陸。
きっとその彼女のせいなんだ…
私の小さな女心は、傷ついていた。