乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
足の裏がズキズキジンジンする。
深く切っちゃったんだろうな…
痛すぎて涙が出てきた。
左足を地面につけることはできない。
「なんか歩きづれーな…お前も痛くて歩きたくねーだろ?」
陸は、私を支えながら歩いてくれていたけど、痛がる私を見るに見かねて、お姫様抱っこしてくれた。
ふわりと抱き上げられたとき、初めて陸と会った日の事を思いだす。
あの頃は小さかったけど…
今も私の事を軽々と抱き上げてくれる。
陸の体はガッチリとしていて、安心する。
そして男の人なのに、なんかいい香り。
顔がすぐ近くにあるからめっちゃドキドキしちゃう。