乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
じーっと陸の顔を見つめていると、突然その綺麗な目が開いた。
「…ん…終わったか?」
「うんっ!今終わったところ…5針も縫っちゃったよ」
眠そうに目を擦る陸に、私は包帯で巻かれた足を見せた。
「うっわ、痛そうだな」
「痛かったよぉ…まだ普通に歩けないし」
「あたりめーだろ」
そう言って陸は私に手を差し出した。
「え?」
「まだ一人じゃあるけねぇだろ?また支えてやるよ」
手を差し出すと、ぐいっと私の腕を引っ張り、抱え上げた。
再び陸と密着して、急に心臓が早鐘を打った。
恥ずかしいけど、こんなに密着することなんて滅多にない。
陸に聞こえてないといいけどっ…
帰りも陸はうちまで送ってくれた。
「着いたぞ」
「うん…あのさ…」