乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「ん?」
「うちに寄って行かない!?」
「あ?優奈んちに?」
「うん、あ、ほら…お兄ちゃんも遊びに行ってるけどもうすぐ帰ってくるし!」
せっかく二人きりになれたのに…
もう少し一緒にいたかった。
「んー。でもなー」
陸は時計を見ながら何かを考えているようだった。
きっと…家族のことだろうな…
「奈緒さん達の事なら…渉君のパパが送ってくれる約束なんでしょ?大丈夫じゃないかな…?」
「まあな…。わかった。俺も今江に今日の事話しときてぇからな」
「今日の事?」
「お前怪我しただろ?今江に言ったら俺殺されんじゃねーかな」
陸がククッと笑う。
「まさか!これは私の不注意だもん、陸は関係ないよ!」