乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
私の部屋に入った陸は、ぐるりと見渡して笑った。
「へぇ、綺麗にしてんじゃん」
「でしょ!?いつも綺麗だし!私掃除もだけど、家事全般得意なんだから」
「料理も?」
「あったりまえ!一応一通り作れるよ!」
「優奈が?意外だな」
信じていないような目をして笑っている。
さりげなく出来る女をアピールしてるつもりだけど…
信じてくれないのかな…
「……だから…いつでも結婚できる準備万端だもん」
「結婚?お前高校生のくせにもうそんな事考えてんのかよ」
陸はベッドの脇に寄りかかって座り、卒アルをパラパラと見始めた。
「考えてるよ…もう16だもん、いつでも結婚できるじゃん」
昔からずっと夢見ていた。
陸のお嫁さんになることを。