乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「……わりぃ、もうその話すんな、気分悪くなる」
そう言って陸は私から目線を逸らし、部屋を出て行こうとした。
その時私は咄嗟に後ろから陸の腕を掴んだ。
体が勝手に動いていた。
私はずっと守ってきた壁を、今壊そうとしている。
「なんっ……」
陸が振り向いた瞬間。
私は精一杯背伸びをして、
陸の唇にキスをした。
ずっとしてみたかった。
大好きな人とのキス。
こんな形で叶うことになるなんて。
一瞬だったけど…陸の温かいぬくもりを感じれた。
この想いを、ぶつける時がきた。