乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
―――――――SIDE RIKU
優奈の治療を待っている間、俺はずっと奈緒の事を考えていた。
あの高橋の野郎…
“あんた、奥さんの気持ちわかってねぇんだな”
それどういう意味だよ。
いらつくな…
俺はあの野郎が最初っから気に食わなかった。
仏頂面して、俺らとは関わりたくねーって態度だったくせに奈緒にちょっかいだしやがって。
目障りなんだよ。
奈緒も、タオル巻いてろっつったのに言う事聞かねーし。
高橋に見られた上に、腕まで掴まれて。
マジで何やってんだよ。
油断も隙もねぇな…
朝が早かったせいか、俺はいつの間にか長椅子に座ったまま眠ってしまっていて…
気づいたら目の前に優奈がいた。