乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
足の裏を縫って痛いはずなのに笑顔を見せる。
こいつも我慢強いやつだよな…
優奈と奈緒は正反対に見えて、少し似てる所がある。
だからか、余計に放っておけなかった。
優奈は小さい頃から俺に懐いてきて、本当の妹のような存在だった。
俺は結婚するまで家族ってのがどんなもんか知らなかった。
でも小さな優奈に会うと、自然と守ってやりたいって気持ちになっていた。
その気持ちは今も変わらない。
だから
そんな優奈が俺に好意を持っているなんて、まったく気づかなかった。