乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
考えもしなかった。
10個も年が離れた俺の事なんて、フツー恋愛対象外じゃねーのか?
「優奈…」
「へ、返事はいらないから!ただ…私の気持ちを知っててほしくて!困らせて…ごめんね」
優奈は表情が硬かった。どれほど緊張しているのか。
笑顔がひきつっていて、無理に笑っているのがわかる。
こんな優奈は初めて見た。
「でも…私は本当に陸が大好きですっ」
目にはうっすら涙が浮かんでいて。
でも最後はその目でまっすぐに俺を見つめていた。
そういうまっすぐにぶつかってくるとこも奈緒に似てるな。
俺は気持ちが揺らぐことはない。
奈緒以外は考えられねぇ。
なのに…
それを今ここで言えないのはなんでだ。