乱華～羽をくれた君～Ⅲ【完】

奈緒はそんな俺たちのやりとりを少し寂しげな表情で見つめていた。




やっぱり…



なんか悩んでるんじゃねーか。





確かにここんとこなんか様子がおかしいと思っていたけど。




悩んでるなら俺に言ってくれればいいのに。





そしたらそんな不安なんか、一発で払いのけてやるよ。




高橋の野郎にハッキリと言ってやることもできる。





でも





数日経っても、奈緒は俺に何も言わなかった。






モヤついた気持ちがずっと続いててイライラする。





奈緒の事は信じている。




きっと奈緒の事だから俺に心配かけないようにしてんだと思う。






だけど…優奈の言ってたことも時々頭をよぎる。





高橋に気があるんじゃねーかって。




だから俺に何も言えねーんじゃねぇかって。





そんな事も考えてしまう。