乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
だって私ってばしょっちゅうミスしちゃってるし。
陸さんだって忙しいのに、いつも優しくフォローしてくれる。
こんなんじゃダメだ…
もっとしっかりしなきゃ。
「あれ?今江君?」
現場にいるはずの今江君が事務所にいた。
今江君は陸さんが暴走族に入ってた頃仲良かった後輩。
前働いてた会社も一緒で、陸さんが独立したら一緒についてきてくれた。
「あ、奈緒さん」
今江君は自販機でお茶を買っていた。
「事務所にいるの珍しいね?」
「あー…実はオレ弁当忘れてきちゃって」
「そーなんだ。もうお昼だけど…どっか食べに行くの?」
「いや、優奈が届けに来てくれるって」