乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「お前自分の誕生日も忘れてんの?6日だろ?」
「あ…」
最近色々考えることがありすぎて、すっかり忘れていた。
6日は私の24回目の誕生日…
陸さんにお祝いされるのもこれで9回目なんだ…
初めての誕生日のときはネックレスで。
そしてその時初めてキスしたんだっけ。
思い出すと懐かしすぎて笑みがこぼれる。
「何ニヤケてんだよ?」
「ふふっ。ううん、嬉しくて。ありがとう陸さん」
そう言うと陸さんは嬉しそうに目を細めた。
「久々に見た」
「え?」
「奈緒の笑った顔。最近なんかあったんだろ?ずっと暗い顔してっから」
陸さんにはやっぱりお見通しだったんだね。
私はすぐに顔に出ちゃうから気を付けてたのに。