乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
私は隣で一緒に歩いているとき、陸さんを見る度に胸をときめかせていた。
8年も一緒にいる旦那さんにこんなにドキドキしてるのって…おかしいのかな?
時折女の子達が陸さんをチラチラ見ているのが視界に入る。
そういうのがやっぱりちょっと心配になってしまったり…
人混みの中、陸さんは蒼空を肩車していた。
「えっ…ちょっとあの肩車してるパパめっちゃかっこいいー!」
「ああいうパパって憧れ~羨ましいー!!」
近くからそんな声が聞こえた。
陸さんも蒼空も楽しそうにしている姿を見ると、私まで嬉しくなる。
「ゆいもゆいもぉー!」
私と手を繋いでいた唯が陸さんにすがった。