乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
ベンチに座ると自然とため息が出た。
はぁ…。
最近ずっとこんな感じの重いため息が出る。
『キャンキャンッ!!』
その時、突然後ろから犬に吠えられた。
驚き、咄嗟に後ろを振り返ると…
そこには優斗パパがいた。
「こんなとこで…あんた何してんの?」
「び、びっくりしたぁあああ!」
「びびったのはこっちだから」
そう言って、吠え続ける犬をしゃがんで宥めている。
「犬…飼ってたんですね」
「ああ。っつーか、その恰好だしマジで幽霊かと思ったわ」
優斗パパはフフッと鼻で笑った。
「し、失礼ですよっ!」
陸さんには『すげーかわいい』って言われたのに…。