乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「俺だったらあんた以外の女に優しくしない。いくら兄弟みたいな関係だって言ったって、あんたの旦那あの女にかまいすぎじゃねーの?」
「しょうがないんです…陸さんは優しい人だから…」
「ほら、そういう風に我慢してんのって、旦那ちゃんとわかってんのか?」
「言えるわけないじゃないですか…」
そんな事言ったら、陸さんだって困ってしまうよ。
陸さんを困らせたくない…
物分かりの良い嫁でいたい。
でも…
込み上げてくる思いを喉の奥でぐっと堪えた。
その時、私の携帯が鳴った。
画面を見ると、陸さんからの着信だった。
「旦那?…出れば?」
優斗パパが側にいるから一瞬迷ったけど、出ないのもおかしいし…
私は通話ボタンを押した。