乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「も、もしもし…」
『奈緒!?お前今どこにいんだよ!?』
少し苛立ち口調の陸さん。
優奈ちゃんと話終わったのかな…
「ゴメン…家のち、近く…」
ドキドキして声が裏返ってしまった。
変に思われてなければいいけど…
『は?なんでそんなとこ…もしかして歩いて帰ってきたのか!?』
「ううん、タクシーで…陸さんは帰ってきたの?」
『さっき着いた。奈緒いねーから焦ったわ。どの辺?今外出るから』
「い、いい!もう着くから!!じゃあね!」
私は陸さんの返事も聞かずに切ってしまった。
もし優斗パパといるとこを見られたら…
またやっかいなことになる。
余計な心配かけたくないし。