乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
「帰って来いって?」
「はい……」
スマホの時刻を見ると、もう0時を過ぎていた。
私の誕生日…
「なに?画面見つめて」
「日付かわっちゃったなって思って……今日私の誕生日なんです。本当は今頃二人でお祝いしていたはずだったんですけどね…。予想外の展開だったな今日は…」
笑ったつもりだったけど、なんだか泣けてきちゃって。
気づいたときには涙が頬を伝っていた。
泣くの、ずーっと我慢していたのにな。
陸さんが優奈ちゃんの頭をポンって優しく撫でていたときも…
海で2人楽しそうにしていたり、優奈ちゃんが怪我したとき陸さんが抱き上げたときも。
優奈ちゃんの事心配して、私の話は上の空になっていたときも。
いつもいつも泣くのを堪えてた。